下痢の時の漢方薬の話

こんにちは
飛騨の漢方薬治療専門動物病院「はるじろう漢方ペットクリニック」の佐藤です

医療用、またはドラッグストアで売っている
漢方薬のエキス剤は、生薬(しょうやく)を煎じて乾燥させ加工したものです。
漢方薬には、長く飲まないと効かないというイメージがあると思いますが、
実は、これらのエキス剤は、急性疾患に対応するものが多いのです。
上手く症状や体質が合えばとても早く、とてもよく効きます。
急な下痢、咳、もしくは風邪の初期症状にはぜひ活用していただきたいです!

私の場合は、急に訪れるひどい寒気と倦怠感を伴う風邪の初期には、
麻黄湯を飲んで早めに寝ると、大抵は治ってしまいます。
麻黄湯には抗インフルエンザウイルス効果も認められています。
※服用する場合は医師、薬剤師等に相談してくださいね(麻黄湯の体質ではなかったり、麻黄の副作用がでやすい方もいます)


感染性胃腸炎(ウイルスや細菌で下痢や嘔吐をおこしてしまうやつです)のときには、一般的な下痢止めは使用できないため、脱水予防に経口補水液をこまめに飲むなどの対症療法しかありませんが、前回も紹介しました黄芩湯を服用することで早期に症状が治まります。
体内水分調節作用や消炎、抗菌、抗ウイルス作用、免疫賦活作用が報告されています!
黄芩湯はしぶり腹を伴う場合に使用します。犬さんの急性下痢の時に重宝しています。


そのほかにも、下痢のとき一般的に使える漢方薬に五苓散があります。(しぶり腹の時は使用しない)
これは利水剤といわれるもので、身体の水の偏りを是正するように働きます。
特に、嘔吐を伴う下痢では、水分摂取にも苦労します。そんな時には、こまめに五苓散を口に含むことで、回復が早まります!

五苓散は、今では二日酔い、片頭痛や熱中症予防などで使うことがありますが、
昔の人は下痢による脱水から症状が重篤になっていました。そこで脱水が重度になる前に五苓散を用いることで多くの人が助かったようですよ。
現代では点滴治療ができますので重症な人は必ず病院へGOです。

五苓散はとても優秀で、他にも浮腫みや気圧による不調やめまい、乗り物酔いなどなど、
からだの水分バランスの乱れによる不調を改善してくれます。
思い当たる方は一度お試しあれ。

下痢の時、他にも症状や時期に応じて様々な漢方薬を使い分けます。


慢性の下痢となるとまた、複雑で改善に時間もかかることが多いです。

犬に多い、炎症性腸疾患は免疫を整えることが大事になります。
すべての炎症性疾患(癌も含めて)の大元は免疫のバランスの乱れです。
長期戦になりますが、漢方薬をしっかりと飲んで免疫を整えていくことが大事です。



さて、話は我が家のことですが、うちのじろ君はかれこれ一か月以上、軟便でした。
前半は硬めですが後半はつかむのがやっとです。
匂いも臭くないですし、まだ夜の冷え込みがあった時期でしたので、お腹が冷えたかと思い、
人参湯をのませると少し良くなるといったことを繰り返していました。

しばらくたっても改善傾向になかったため、じろ君の性格から処方内容を考えました。
さーて、なんでしょう?

正解は、半夏厚朴湯でした!

半夏厚朴湯の効能をみてみると、「気分がふさいで、のど、食道に異物感がある人の不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄、不眠症」
とあります。

そうなんです。じろ君は神経質なビビり君なんです。
この軟便は精神からきている可能性を考えました。さらに水の停滞(水滞、水毒)もあります。
半夏厚朴湯は、ストレスを抱えている人の気の巡りをよくして、のどの異物感を改善する処方なのですが、同時に身体の水の停滞を改善する働きもあります。

じろ君、一度飲ませただけで、すぐに良い便になりました。飲ませないとまた軟便になってきたので、一日一回服用を続けて一か月以上になりますが、一度も軟便は出ておらず、とてもいいものがでております!

漢方薬っておもしろいですね!
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次
閉じる