こんにちは。飛騨の漢方専門動物病院「はるじろう漢方ペットクリニック」の佐藤千絵子です。
我が家の雑種犬のはるは、胃腸が弱い体質です。
胃腸が弱いと、身体に余分な水をため込みがちになってしまいます。(水滞といいます)
そしてついに瞼(まぶた)にできものができてしまいました。
マイボーム腺腫です!
マイボーム腺腫は瞼にあるマイボーム腺の良性腫瘍です。
少しずつ大きくなって、腫瘍が目の表面に触ることで、涙が絶えず流れたり、
目やにが出たり、酷いと角膜炎になったり、腫瘍自体から出血したりしてしまいます。
手っ取り早く治療するには、外科的に取ってしまうのがよいですが
年をとっていたり持病があると、手術をためらうことも多いですね。
この腫瘍は癌に効くような漢方薬を使っても、なかなか小さくなってくれません。
うちのはるは、この腫瘍が大きくならないような対策として、
胃腸に良い生薬であるヨクイニン(はと麦)を炊いて、ごはんにトッピングしていました。
ヨクイニンは健脾作用(胃腸を健康にする)と利水作用(余分な水を排出する)があり、
イボ取りとして有名ですね。(老人性のイボはとれませんが)
でもでも~、あげるのをサボりすぎのため、少しずつ大きくなっていました。
そこで、ヨクイニンエキス製剤に変更してみると、少しずつ小さくなっていきましたよ。
今は、瞼を手で押し下げて見ないとわからないくらいになりました。
完全になくなるかはわかりませんが、小さく維持することができればよいと思っています。
ヨクイニンは抗酸化作用や悪いものを外に出すという効果が、エキス剤では弱いといわれます。
アトピーなどに使う場合は、炊いたものをあげるのがよさそうです。
はるの場合は、胃腸が弱いことから起こる、身体の偏った余分な水(水滞)が原因であり、すぐに効果がありました。
味に癖もなく、飲みやすいエキス製剤なので、これからはどんどん推奨していこうと思った次第です。
こういった、水の停滞による症状としては、浮腫みや冷え、関節の痛み、他にも脂肪腫、
リンパの腫れなどを引き起こしたり、腫瘍のできやすい環境を作りだしてしまいます。
ヨクイニンの作用は
・余分な水を排出する(利水作用)
・胃腸の調子を整える(健脾作用)
・排膿作用
が代表ですが、
薬理学的作用として報告があるのは、
抗腫瘍活性、抗酸化能、免疫賦活作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、筋弛緩作用、
血糖降下作用、抗高脂血症作用、利尿作用などがあります。
劇的にこれらの効果があるとは思えませんが、体質改善として気長に摂取していただけたらいいと思います。
特に、胃腸が弱い体質や、むくみやすい子にはお勧めです。
他にも
余分な水を排出することから、湿によってひきおこされる
膝や関節の痛みや手足のしびれを緩和する作用があります(去湿除痹)。
ヨクイニンを配合した、薏苡仁湯(ヨクイニントウ)や麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)
などとして処方されることが多いです。
ヨクイニンは身体の余分な熱を冷ましたり、排膿作用がある事から、
皮膚の化膿(ニキビ)や消化器の化膿性炎症の治療にも使用されてきました。
熱をとる性質と利水作用があるので、湿のたまりやすい梅雨から夏にかけて積極的に摂りたい生薬になりますが
多くのペットがドライフードを食べていることから、年中摂取しておいた方がよいと感じます。
脂の多いドライフードは身体に熱を生み、湿をため込みやすくします。
ヨクイニンは、はと麦ですから、イネ科の植物にアレルギーがある場合はあげられませんが、
ネットでも手軽に購入できる生薬(食品・薬膳)ですので、日々のごはんに取り入れてもらえるといいなーと思います。
ドライフードの見直しも忘れずに!(脂っこい、脂の嫌なにおいのするものは要注意!)
少し小さくなってきたので、慌ててとった写真
さらに一か月後、膨らみが減って、瘢痕組織のようになってきた
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